ピエロが五人
最初の道化師は蝶の羽根を背負ってやって来た
開ききった瞳孔にも似た面妖な羽根模様
錆びた鏡に映して独り悦に入る俗悪なナルシスト
『愛してる,気も狂わんばかりに艶やかな蝶の羽根』
二人目は禿げ上がった頭にイボのついた角を生やしていた
感情表現は露骨で醜悪,顎を鳴らして下品に笑う
分裂気味の行動にあわせラバー製の角がグルグル廻り
規則的ではあるが実に不気味な音を立てて
血のついた石の足枷を着けたままで器用に歩く
白痴の様な無垢な笑みの裏で目を覚ます悪徳
醜く太った母親のその皺だらけのケツの穴を
重たい石の足枷を着けたまま何度も蹴り上げてやるのさ
四人目は烏の仮面を被り痩せた身体を痙攣させてた
『街を行く全ての民に慈悲を!』
芝居掛かった牧師の仕草
神経痛に苦しみながら烏さながらに首を廻す度
プラスティックのくちばしの隅に
生臭い肉片をはみ出させていた
最後の一人はかく言うこの俺
コートの中に密輸拳銃を隠し持って来た
精度は悪いが威力は抜群のこいつを振り回して
薄気味悪い
四人の道化師共の頭を
粉々に
フッ飛ばしてやったって訳さ
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鉄格子
明かり取りの窓に赤い月が差す
ピエロが五人 現われては消え
ピエロが五人 現われては消え
ピエロが五人
五人
***(C) H.L.EURO 1996***
うーーーーーーーーーーん。
思えばもう10年も前に書いたんだコレ。
4人の、それぞれ異なる猟奇と狂気を持ったピエロ=殺人鬼。
そして、その4人を片っ端から撃ち殺す、最後のひとり…
全てはこの男の別人格だった、ってなオチなんだけど、今見るとかなり未消化だ(汗)
でもま、こいつが某メーカーでは壮絶なダメ出しをくらい(泣)
歌詞カードは白紙、ミックスは殆ど歌が聞こえない、ってな有り様になったんだっけ。
で、レコ発のツアーではこの歌詞をコピーして、会場で配ったのだった。
…そんな事を、人に言われて思い出す様では俺もいよいよ老人の仲間入r
おいといて、だ(汗)
2006年現在読み返すと…別にフツーじゃね?(怒)
当時の倫理観が厳しかったのか。今の倫理観が麻痺しているのか…
まあ、どっちでもいいや、そんな事は。
…こういうモノが書きたい人の為に、インディーズはここまで成長したんだぜ。
カルチャーというモノは、いつの時代もそうやって少しづつ洗練されて行く。
Yes、ディモールト素晴らしい!
俺は常々、インディーズ・アーティストに必要なモノは「自己責任」だと思っている。
そして、もっと大きなフィールドへ羽ばたいていける若き才能に対しては、
「責任の取れる大人」が、これまた「自己責任」で、全力と誠意をもって支援すればいい。
そう思っている。
どちらに対しても、自分の人生の、その全てをかけて。
プロデューサーと、アーティスト。
俺は、その二つの自分の顔について、それぞれそう定義し、自戒している。
「責任の重要さ」…思い知らされる事の多い昨今です。気合い。
おいといて。
いつもそうなんだけど…
歌詞を書く前に、自分の書きたい事を散文でとにかく書き散らしてみる。
で、歌詞にする時にそれらを曲の法則に従って、整理する。
その時、沢山の言葉が、失われて行く。難しいですな;;
「ピエロが五人」は、いつかその「散文バージョン」を発表したかったり。
どこで?
blogだよ(爆)