Sunday, April 11, 2010

Just a Punk Rocker

俺たちは間違っている。

この世界に、完全なもの…完成されたものなど…何一つ無い。

不完全である事がそんなに呪わしいか?
ならば…全世界を呪わなくてはならないな。

Saturday, April 10, 2010

Definition Master

You-Miと言う男がいた。

面白い事を沢山知っている男だったが…同時に、驚くほど知らない事の多い男でもあった。
…その年のヒットチャートを独走している様な音楽を普通に「知らない」と言い
日本人なら誰もが観ていると言われるテレビ番組を「全く観ない」と言い
ベースボール・スターを「ゲームのキャラクター」程度にしか認識していなかった。
遊園地を嫌い、居酒屋を嫌い、外食を嫌う男。
しかし、欧米のコアな音楽シーンや音響機材のモードについては誰よりも熟知していた。
Industrial/Body/Digital Hardcore…果てはDrumNBassまで。
音楽が色々な国から上陸する度に、俺は彼のスタジオに招かれ、彼の作った「ソレ」を…
作品として発表する事の無い、自己啓発の為に作られたのであろう数々の音楽を聴かされた。
そしてその完成度と、音楽性の同期するスピードにいつも驚かされていた。
日本在住でありながら…彼の魂は、精神は、完全に日本人のソレでは無かった。
あきらかに…違っていた。

彼の作るトラックの硬質さと重さ。そして、音像の深淵。
…正直、今でも超えられる自信は…全くと言って無い。

…しかし。
彼の「才能」の所以は…分かる。今なら。

俺は…くだらない事を。意味の無い事を。価値のない事を…知り過ぎてしまった。
………豊富な知識?
………違う。
飽食の時代…それこそが「平凡の極み」なのだと言う事を、俺達は自覚しなくてはならない。



…彼に会いたいな。

彼なら…俺が取り憑かれている「呪い」の話を…聞いてくれるだろうか。

…笑われるだろうか。

Curse Me, Don't Bless Me #4

…だから、全ての表現者は呪われているんだってばよ。

俺は…基本的にではあるが…表現者が…人間が、大好きだ。
音楽を志す者。役者。絵を描く者。文章を紡ぐ者。
そこには常に、尊敬の念と…愛情がある。本当だ。決して嘘じゃない。

…しかし。その「表現行為」には…許し難い程の…抗えない程の嫌悪感が…。

…いつからだろう。思い出せない。

その歌は…女々しくあざとい詐欺師のすすり泣き媚びる声にしか聴こえず…
ギターの音にはアルミホイルをくしゃくしゃ噛む様な、ナルシスティックな不快感しか無い。
薄気味悪い「音響系」連中の音楽からは手抜きと無知から産まれる雑音しか聴こえてこない。
TVアニメはことさら気持ち悪く、安いエロ本をデタラメに切り刻んだ紙芝居にしか見えず…
中年男が汗だくではあはあ喘ぐ鬱陶しい声しか聴こえてこない。
あんなに好きだった漫画からは酸化した印刷インクの匂いしか感じられず、物語は全く記憶に残らない。そこには下卑た妄想と暴力と不毛な「死」があるだけだ。
…造型はどうだ。デザインは。タイポグラフィ…映画は。いっそ創作料理なんてどうだ?


…気持ちが悪い。誰か、助けてくれ。


これを「感性」と呼ぶのなら…「感性」とは何と無意味で生産性の無い言葉だろう。
…いっそ一切の「表現」に触れず、食べて、寝て、生きれば…魂は救われるのだろうか。


…俺たち日本人は、どうにもならない程に呪われている。


その「呪い」の名は………





…もう少しで、思い出せそうなんだ。

Curse Me, Don't Bless Me #3

駅やスーパー、ショッピングモール。
そこには傍若無人の限りを尽くす子連れのおばちゃん達がいる。
物凄く図々しく、非道徳的な…愛すべきモンスター達。

彼女達の一見理解不能な行動や言動には実は明確な理由がある…心理的な。

彼女達は自身の子供達に道徳を説く。

人の物に手を出してはいけない。
道ばたにゴミを捨ててはいけない。
食べ物を粗末にしてはいけない。
暴力をふるってはいけない。
部屋はきれいにしなさい。
宿題をやりなさい。

…後はなんだろう?なんでもいい。

これらの言葉は全て彼女達自身の口から発信されている。
…発信した事によって、彼女達は「自らが徳を積んだ」かの様な錯覚を起こす。
その反動が…彼女達の非道徳的行動の根源的なパワーだ。

「従ってわたしは罪をおかしても良い」

…何と恐ろしい理念。正真正銘の「負のパワー」。


彼女達の説く道徳は「呪詞」であり…その子供たちは…呪われている。


極端なまでに「他人に厳しく自分に甘い」者。
学校の教師…僧侶…いわば「他人に説法する」職業にある者。
理想論に満ちあふれたマニフェストを声高に掲げる政治家。
…そういった者が犯罪に手を染めてしまう理由も…おそらく同じ性質のものだろう。


胸に赤い羽根を着けて…白昼堂々と人を殺す。
…お前達が手にしたものは「呪い」に他ならない。


その「呪い」の名は………


思い出せない。…幸運な事かもしれない。

Thursday, April 01, 2010

Curse Me, Don't Bless Me #2



Because I Love you and your

論拠なくして「真実」だと思っている事があったとしたらそれはただの「錯覚」だ。
「錯覚」したまま死んでしまえばそのものに取ってのそれは「真実」であったかもしれない。

馬鹿馬鹿しいぜ。騙されたまま死ねるか。

「真実」は決して誰かがこっそり教えてくれるものでは無く
…朝起きたら靴下の中に都合よく入っているものでも無い。

…自分の頭で思考し…発見するしか無い。

…疑え。全てを…疑う事から始めろ。

自分にとって都合の良い事だけを妄信する様になった時から

…俺たちはずっと、呪われている。

No one remembers your name

People are strange when you're a stranger
Faces look ugly when you're alone
Women seem wicked when you're unwanted
Streets are uneven when you're down

Jim Morrisonの歌詞が四行、ここにある。

同級生の名前を忘れてしまっても
…その何倍もの情報量であるはずのこの歌詞を、俺は20年経っても忘れないでいる。

…呪われているとしか思えないだろ(笑)

Curse Me, Don't Bless Me

全ての表現行為はとどのつまり「呪い」であり「形代」だ。
…そしてこの文章も。
俺も、そしてこの駄文を目にするお前も、呪われているんだよ。
…取り返しのつかないほどに。



俺たちは、呪われている。



何の役にも立たない式神の名は…





思い出せない。…幸運な事かもしれない。